サンプル作成へ 

日本の伝統的な藍染めと、その先の可能性に触れた頼社長、台湾へ帰国後

早速、色出し&サンプル作りにとりかかってくれました。

東京で手に入れた「濃藍のブルー」と「薄藍ブルー」の革片を台湾に持ち帰ってもらい、インクの色出しと調合、再現性とあわせて格闘してもらう。

ちょうど、タイミング的に藍濃道具屋の工房を、淡水から彰化へ移転
して新しい事務所を兼ねた工房への移転のタイミングでもあったので
「サンプルができたよ」の一報を受け、新社屋訪問も兼ねて台湾へ行くことに。今回のプロジェクトは、こんな過程もワクワク、楽しんでます。

 

色出しの確認@藍濃道具屋 (新社屋)

関西空港から空路台北へ。その後、台湾高速鉄道(日本の新幹線が採用されているので、どこか懐かしい)で台北ー台中間を移動。別件の商談を台中で先に片付けて、いざ彰化へ車で移動。午後15時過ぎにたどり着きました。

完成した社屋は、頼社長の実家の庭の片隅に建てられた、1Fの藍染工房と2Fの事務所を兼ねたもの。こぎれいで立派な感じです。以前の淡水市の工房を知っているだけに・・日本での拡販が貢献できていることを感じて、少し嬉しかったです。

(これも、日本の皆さんが藍濃道具屋のインクを支持してくださっているおかげです。少し誇らしげな気持ちで訪問することができました。ありがとうございます。)

2Fの事務所で、サンプルとしてできあがった色と、実際の革の切れ端と色合わせをして確認。今回の「褐色」と「水浅葱」の2色を確認。

 

「濃い藍色に込められた強い思い」

褐色(かちいろ)は、活・勝・捷などの字をあて、藍を最濃度に染め、黒く見えるほど濃い藍色を表現。鎌倉時代には武士の服や武具を「かちいろ」で染め、「勝ち戦」になるよう縁起をかついだと言われている。

そんな話をしながら、最初にできた色目を少し濃いめに仕上げた。

 

「薄めな藍色に込めた品位」

浅葱とは、藍染の浅い段階から現れる色で、少し緑がかった藍色が葱の葉色に似ていることから「浅葱」と名付けられた、日本独特の青色。今回は藍濃道具屋の定番色「浅葱」とは、はっきり違うこの「薄い」色合いを表現することを意識した。

そして、限られた時間でパッケージやラベルの仕様を話し合う。

日本のインクファンが好む優しい雰囲気と「藍濃道具屋らしさ」

が大好きな女性ファンが多いことを改めて伝えて確認する。

あとは基本的に「お任せ」。

日本で受けるであろう仕様をこちらが伝えるよりも、「お任せ」の方が

結局”らしさ”がでていいものができることを今までの経験で知っているので

今回も、その流れでと決めていました。

 

頼社長の夢の形

商談が終わり、少しだけ新社屋の周辺を歩く。

「ちょっと見せたいところがあるのです」と言われた

その先には・・

頼社長の夢の一歩である藍畑が広がっていました。

彼は、ここで「自分で種から植え付けた藍の葉を使って藍染する」という当初の目標を実現していました。

「忙しくて、作業を怠るとすぐ成長しすぎてしまうんだ。ほら、僕の背丈より育ってしまって・・」と嬉しそうに話す頼社長。夕日に照らされた少年のように微笑む彼の笑顔がとっても素敵だった。

この人は信じられる。なぜか素直にそう思えた瞬間。

新社屋での商談・・有意義な時間を過ごし、満足のいくサンプルの仕上がり。あとはボトルと外箱のラベルを日本で待つだけ・・・です。

ラベルも完成。やっぱりいい感じに

日本に帰国してしばらくしたら

「ラフデザインできたので、確認して欲しい」と送られてきたデーターを確認。

やっぱり任せてよかった。イメージをしっかり共有できて一安心。

そうして仕上げたのが・・・

 

こちらと・・・

今週末の東京・銀座 G.ITOYAでのKNOXのイベントと

神戸ペンショーでの同時先行販売という新しいチャレンジも

なんとか無事迎えられそうです。

あとはお披露目を待つだけです。当日は、1人でも多くの方に

こだわりの日本の藍色 JAPAN BLUEをご覧いただければ嬉しいです。